2016.05.31の魔法的

ずっと、過去と逆方向に舵をとるように、あたらしい方向へ進んでいた点と線の群が、ひとつの丸になった。
「犬」で朝を待ち望んだ冷静な必死さ、「LIFE」の超越的な悟りと消費性をも包みこんだ刹那、「球体」の身軽なあたたかい夕方、「eclectic」の深夜に溶けこむ濃厚な愛、「環境学」の利口さと神秘性。
 すべてを取りこんだ小沢健二だった。
 
「ひふみよ」の緊張と決意も、「東京の街が奏でる」の甘美さと親密感も、あるいは「うさぎ!」の希望も、「モノローグ」の隙間をうめるリズムも。東京も、ニューヨークも。すべてがつながったのではなく、すべてがひとつになっていた。
 

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